Trillion Dollar 2008 9 21

The Trillion Dollar Meltdown by Charles R. Morris
「なぜ、アメリカ経済は崩壊に向かうのか」
チャールズ・R・モリス  日本経済新聞社

 現時点では、サブプライム危機は、もはや、取るに足らない問題になってしまった。
つまり、サブプライム危機は、単なる導火線に過ぎず、あるいは入り口に過ぎなかった。
 今、起きている問題は、信用バブル崩壊の過程にある。
別の言い方をすれば、デリバティブ・バブル崩壊の過程にあると言える。
 不動産バブルの崩壊が、サブプライム危機(普通のバブル崩壊)を招いたとするならば、
信用バブルの崩壊が、超バブル(スーパー・バブル)崩壊を起こしつつある。
 つまり、世界は、普通のバブル崩壊が原因となった、
超バブル(スーパー・バブル)の崩壊を体験しつつあるということである。
このまま行けば、世界は、初めて、超バブルの崩壊を体験することになる。
 この本によれば、
「金融資産の総額が、世界GDPの4倍を超え、
金融派生商品の総額が、世界GDPの10倍を超えている」という。
 今、起きている問題は、「流動性の問題」ではなく、
「支払い能力の問題」であると考えられる。
この認識を間違えたら、いつまでたっても問題は解決しないでしょう。
 金融業界出身で、金融のすべてを知るポールソン財務長官が、
夜も眠れぬ日々を送るのは、当然でしょう。
世界が初めて体験することになる超バブルの崩壊を、どう止めるのか。

レバレッジ 2008 5 11
 また、日本のバブル時代の話をしましょう。
今度は、ITバブル時代の話です。
 この時代を象徴するのは、ソフトバンク株でしょう。
急騰するソフトバンク株。
この銘柄を好んで買う投資家には、一定の作法がありました。
 現物株で買ったソフトバンク株を担保に、
信用取引で、さらにソフトバンク株を買うのです。
これを、当時は、「二階建て」と言っていました。
今風に言えば、「レバレッジ」でしょうか。
こうした手法(金融技術)は、わずかな値動きでも利益は大きくなりますので、
投資効率がよい方法と言えたでしょう。
 しかも、ITバブルによって、ソフトバンク株は、
来る日も来る日もストップ高を続けていましたので、
極めて投資効率がよかったと言えたでしょう。
 しかし、ある時から、
来る日も来る日もストップ安となったのです。
買い手不在で、値がつかなくなったのです。
そう、ITバブルが崩壊したのです。
 投資家たちは、あっという間に、資金を失い、市場から消えていったのです。
それでも、この時代のレバレッジは、かわいいものでした。
この時代のレバレッジは、上限が、たったの3倍でした。
 聞くところによると、
アメリカでは、投資ファンドが、
証券化商品において、投資効率を追求するために、
レバレッジを、倍率にして、5倍や10倍、
場合によっては、それ以上に設定して奮闘したと聞きます。
さぞ投資効率がよかったでしょう。













































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